ウエディングプランナーの理想の感動を写真にうつしとる、フォトグラファーの仕事

体力と気配りと

まずフォトグラファーといえば、カメラはもちろん重い機材をあちこちに運ぶ体力が必要です。どの場所から誰のどんな表情をどれぐらい撮影するのか、しっかりとスケジュールを把握した上で、効率よく進めなければなりません。特に結婚式の場合には、新婦は準備のために何時間も前からバタバタしています。メイクや着替えの気忙しい中に、挙式を迎えた喜びと不安の表情を捉えるのです。また招待客も続々と集まって来て、にぎやかになって来れば、その間を縫って撮影するための気配りが必要です。神前やチャペルでの厳かな式の雰囲気を捉えたら、打って変わって盛大な、あるいは内輪での打ち解けた披露宴に移ります。常に招待客と共に新郎新婦を祝う気持ちを抱きつつ、これから新郎新婦が何度となく眺めるであろうアルバムの一枚一枚となる、様々なショットを揃えます。

その瞬間に気付くために

特に事前に写真撮影の予定が無い場合には、フォトグラファーが新郎新婦と出会うのは当日が初めてです。従って新郎新婦の好みやこだわりを、出会ったその場で見抜かなければなりません。例えば新郎新婦の人柄や新婦の選んだドレスや小物、あるいは特に大切な招待客など、気付かなければ見逃してしまうものがヒントになります。そして結婚式の写真には、ブロマイドのような完成された写真よりもできるだけ自然な表情を目指します。もちろんそのような表情を最大限に捉えようとすれば、日頃からのカメラのメンテナンスも欠かせません。道具を大切に扱うことは、すべての基本となるのです。

感謝されて更なるやる気を

こうして全力で撮影したデータを処理した後は、アルバムに仕上げて新郎新婦の手元に届けられます。新郎新婦からの感謝の言葉や、ウエディングプランナーからのお褒めの言葉が、もっと良い写真を撮ろうというフォトグラファーの更なるやる気を引き出します。技術や機材の性能の進歩もありますが、やはり最後に物を言うのは、フォトグラファーの心意気でしょう。誰のどんな小さな表情の変化も見逃さないよう、ウエディングのどの瞬間にも神経を研ぎ澄ませているのは、大変な労力を要するものです。しかし、その一方で一生に一度の幸せなお祝いの席であることを忘れず、フォトグラファーとしての緊張感を表に出さずにさりげなく振る舞うだけの如才のなさを、プロとして身に付けておかなければなりません。